Vol.49 2020 新年号
北村 俊介さんご一家【長野市】

みんなで暮らすから楽しい 4世代7人の暖かくて大きな家

二世帯同居はメリットは多いものの、うまくやっていくには難しい面もあると言われます。今回ご紹介する北村さんご一家は、90歳から3歳までの3世帯がそれぞれの独立性を持ちながら、大家族として助け合って暮らしています。全員集合してお話を聞かせてくださる様子も自然体で、家が暖かいのはもちろん、家族の仲があたたかいのが伝わってきます。「こんな同居がしてみたい」ご一家です。
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共働きで子育てしてきたone teamファミリー

北村俊介さん(66歳)と智枝子さん(66歳)は、俊介さんの母・良枝さん(90歳)に助けられて共働きで二人の子供を育て上げてきました。ともに60歳で定年退職し、悠々自適の暮らしです。2019年4月、ホクシンハウスでの新築を機に、長男の俊太郎さん(39歳)と、妻の百合香さん(35歳)、紘大ちゃん(4歳)と優奈ちゃん(3歳)がともに暮らし始めました。
公園に面した閑静な住宅地にあり、大きなお宅の1階に子世帯、2階に親世帯、隣接する旧宅に良枝さんが暮らして、お互いに行ったり来たり。良枝さんは、「もうしばらくは慣れ親しんだうちで、勝手よく動いて家事をしたい。もっと寒くなったら、新居で暮らすかもしれないけれど」とおっしゃいます。子供たちもひいおばあちゃんになついて、とても和やかな雰囲気です。
新居の二世帯は、それぞれのスペースにキッチンや浴室などを配置し、独立性やプライバシーが保たれています。玄関はひとつですが、インターホンは各世帯で対応できます。
親世帯・子世帯ともに教員夫婦なので、仕事への理解があり、苦労やストレスなども思いはかりやすいのかもしれません。
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仕事と育児の両立 両親に「甘えない手はない」

一般的に、同居はお嫁さんには歓迎されないと言われます。お嫁さんの立場の百合香さんに、直撃インタビューしてみました。
「もちろん気遣いはありますが、それはお互い様で、仕事と子育ての両立を考えた時に『甘えない手はない』と思いました。お義母さんもそうしてきた方ですし、とても心強い味方で、尊敬しています。これから大変な時期もあるとは思いますが、強力な助っ人がたくさんいて、子どもも私も安心した日々を過ごしています」
そういう百合香さんに、智枝子さんは「そうだよね、私もそうだったから」と大きくうなづきます。
同居が始まった4月、百合香さんは育児休暇から教職に復帰しました。しかし、子育てする女性がフルタイムで働くには、今もまだ環境が整っているとはいえません。保育園も当初は慣らし保育などで短時間の利用になりますし、感染症にかかりやすい幼い子供の集団生活ながら、病気や発熱時はすぐに連れ帰るように保育園から電話がかかってきます。まさに綱渡りのような毎日ですから、おばあちゃんの手助けが何よりありがたいのです。
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「私もおばあちゃんに助けてもらったから、今度は私が若い人を助ける番です」
そういう智枝子さんが、平日の夕食は買い物から料理まで担当。仕事の後に食事作りに追われることがないので、百合香さんは心の余裕を持って子育てができます。
智枝子さんは忙しくなりましたが、「勤めている間は時間がなくて、やりたくてもできなかったことだから、今は家事が楽しくて」と話し、孫の姿に目を細めます。
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金曜日は大おばあちゃんのカレーの日

若夫婦ご主人の俊太郎さんは、取材時、金帰月来の単身赴任中。そのパパが帰ってくる金曜日は「大おばあちゃんのカレーの日」です。みんなで旧宅に行き、良枝さん手作りカレーのお振舞を受けます。御年90歳にしてこのお元気で、家族に喜んでもらうことは何よりの生きがいになるに違いありません。
それに加えて、ひ孫たちの保育園グッズは大おばあちゃんの手作り、数が多くて面倒なネームシール付けも大おばあちゃんの出番です。若いときに洋裁を得意とした良枝さんは、県外に嫁いだ孫娘からも保育園グッズのオーダーが入るほど頼りにされています。
杖も使わず、2階への階段を上がってくる良枝さん。とても90歳とはお見受けできません。やはり、慣れた旧宅で勝手よく家事をこなしていることが健康の秘訣でしょうか。家族に迷惑をかけまいと、太極拳のような体操もずっと続けているそうです。
健康で自立しているだけでなく、家族のなかで役割と出番がある90歳。介護の不安やお年寄りの孤立が言われるなか、お手本にしたい暮らしの姿ではないでしょうか。

りんごの皮むきは、お父さん担当

取材時、りんごの皮をむいてくださったのは当主の俊介さん。手際がよく、いつも果物の皮をむくのはお父さんの役割なのだとか。
「共働きで暮らしてきたのだから、当たり前です。片付けでもなんでもやりますよ」 
日曜日には若夫婦のキッチンに皆がよく集まります。俊太郎さんは「僕は、今は子供たちを公園で遊ばせて料理の邪魔にならないようにすることが多いかな」
そのあとパパや子供たち含め、できることをお手伝い。百合香さんお得意のグリル料理やシチューを囲んでみんなで賑やかな食事が始まります。
誰もが身軽に家事をするので、子どもたちも自分のことやお手伝いなど進んでやれるようになったらいいな、と期待しているとか。
「この家は寒さストレスもないし、動線も工夫してありますから、家事もうんと楽。それに、わが家は家事が楽しい時期でもあるんでしょう」(智枝子さん)

家族を巻き込んでスポーツを楽しむ

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在職中、俊介さんは部活動の指導のためにテニスを始めました。やがて俊介さんは自分だけでなく、家族を巻き込んでテニスに打ち込みます。スキーにも熱を入れ、「40年前、私は全然やらなかったのですが、婚約と同時にスキーセットが送られてきたのには驚きました」(智枝子さん)
「朝起きたらスキーウェアを着せられてスキー場にいた感じ。テニスコートでもよく遊んでいました」(俊太郎さん)
そのお蔭でテニスもスキーも身に付き、それぞれが楽しみ、家族共通の趣味ともなっています。大おばあちゃんの良枝さんも、ゆっくりとテニスのラリーがつなげられるというのは驚きです。白馬に赴任中の俊太郎さんはランニングを始め、白馬トレイルランに出場したのを家族で応援にも行きました。二人のお子さんも、大家族に愛されてスポーツ好きな少年少女に育っていくのが楽しみです。
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