日本木材新聞 掲載記事

全国初! 無暖房住宅のモデル棟完成

-北信商建 壁厚400ミリ、Q値0.75
北信商建(=ホクシンハウス、長野県飯綱町、相澤英晴社長)は、生活熱や太陽熱だけで室温18度程度を保つ「無暖房住宅」のモデルハウスを建設した。地球温暖化に対する関心の高まりや京都議定書の発効、原油高騰などが開発の背景にある。今後、夏冬を通じた室温の実測データ収集を行い無暖房住宅の実証研究を進めるほか、モニター販売を予定している。すでに建築を希望するユーザーもいるという。
     

地球温暖化 省エネ志向が背景に

 同社は長野県を中心に年間143棟(平成17年3月実績)の住宅供給を行う有力地域ビルダー。高断熱・高気密住宅のパイオニアとして知られ、独自開発のFB工法は18年の歴史を持つほか、平成4年に改正された新省エネ基準では全国初の最高ランク機密住宅認定を取得している。FB工法をベースにしたFBS工法(ソーラーハウス認定工法)FBソーラー(環境共生住宅認定工法)があり、県内7ヵ所で展示場を展開している。
 無暖房住宅とは、建物の壁・屋根・窓・換気の性能を高めることで、極寒の気候下でもテレビや冷蔵庫等の生活熱や太陽熱で快適に暮らせる住宅のこと。北欧、スイス、カナダなどで実用化されつつあり、ドイツでは国家プロジェクトとして推進されているという。
 国内の無暖房住宅研究の第一人者である信州大学工学部の山下恭弘教授は、海外で実用化されつつある無暖房住宅を「日本国内でも広く普及させたい」と考えており、昨年8月に広さ8畳の実験棟をキャンパス内に建設してデータ計測・評価試験を行っている。山下教授に賛同し、開発を進めてきたのが北信商建で、今回のモデルハウスが商品化第1号の「FBソーラー無暖房住宅」というわけ。
 モデル住宅の概要は、在来木造2階建て、延べ床面積44坪。集成菅柱120ミリ角など構造用集成材を使用し、壁と天井にセルロースファイバーを吹き込んだ400ミリの断熱層を施工。400ミリの厚さを実現するために、それとは独立した形で室内通気層の壁を設け、断熱層や防湿シートを傷つけない配線技術を開発した(特許申請)。
 屋根に設置した専用集熱パネルで太陽熱を温水(不凍液)で取り込み、ソーラータンク内で水と熱交換し給湯するとともに、冬は床下のパネルヒーターに循環させ補助暖房として活用する「FBソーラー」システムを採用。
 開口部はスウェーデン製の木製3層窓や木製断熱玄関ドアなど。計算上から得られるQ値(熱損失係数)は0.75と極めて高く、防音性能にも優れている。
 建築コストは従来のFBソーラー住宅にプラス100万円程度で可能であり、その分はエネルギーコストの削減で回収できる。将来的に無暖房住宅を企画化し坪当たり60万円で提供していく方針。
 相澤社長は「地球温暖化などへの関心が高まっており、ロハス的な生活を求めるユーザー層が現実にある。ハイブリッドカーが人気を得ているように、地球に負担をかけずに快適な生活を実現する住宅が求められている。データ収集を行い、きちんとしたものを世に出して生きたい」と語っている。


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