ぽんちゃん通信 Vol.30春号

2007年7月20日発行
家づくり現場リポート[手塚邸]の巻
親子2代、お隣さん同士でホクシンの暖かい家に住んでいます

 長年、暖かな家づくりを追求してきたホクシンハウスは、一昨年12月、ついにFBソーラー無暖房住宅の第一棟めを実用化しました。その快適さと地球環境へのやさしさが支持されて、新聞やテレビでも取り上げられ、日本全国からも注目を集めています。今回ご紹介する大町めぐみキリスト教会も無暖房住宅の仕様で建てられたものです。牧師の田中一男さんは「脱CO2 Eco教会」と胸を張っています。ここに集う皆さんも無暖房の教会堂に驚きと感謝の気持ちを口々に語ってくださいました。人の心に安らぎをもたらす祈りの場であればこそ、ホクシンハウスの住宅性能が光っています。

 
東京出身の夫婦 ホクシンの家の暖かさを実感
手塚さんご家族写真

 大町市の緑豊かな文教地区にある大町めぐみキリスト教会。田中一男牧師を中心に、プロテスタントの信仰をもつ人々が集まっています。日曜日の礼拝の後にお邪魔すると、牧師夫人、手作りのお菓子を囲んで、会員の皆さんが集まってくださいました。
 お話を伺った方々は、幼い頃に洗礼を受けたというより、自ら求めて信仰を持った方々が多く、田中牧師もその一人です。田中牧師は、中学生の頃に、「人はパンのみに生きるにあらず」という聖書の一節が心に残りました。その後、海軍への志願を経て、戦後に会社勤めをしていたときに、米国からの布教団に出会います。さらに昭和34年夏、冷酷・ジャンカー牧師による大町伝道の集会に参加し、祈りにふれて、それまで味わったことのない喜びが心に湧いてきました。松本の教会から舗装もされていない道路をバイクで毎週、大町へ通ってくるジャンカー先生の薫陶を受け、田中牧師は信仰を深めていきます。やがて、田中牧師がジャンカー先生の後を引き継いで聖書研究会の中心となります。もちろん特定の集会場所もなく、公民会などを借りて場所を転々としていました。勤続し続けた会社を定年となってから、田中牧師は新築した自宅を集会の場に提供して約20年が経ちました。
 会員のひとり、丸山美つ子さんも若い頃からキリスト教に心惹かれてきましたが、結婚後は「外国の宗教をやるなら出ていけ」と家中の反対を受けます。ところが田中牧師夫妻が田植えや稲刈りを手伝いに来るなど交流しているうちに、ご主人が田中牧師夫妻の「お人柄に惚れる」形で集会に通いはじめ、今ではお孫さんを含め一家で信仰を持つに至っています。
 こうして、共に長く信仰を重ねてきた教会の皆さんにとって、なんといっても悲願は専用の教会堂の建立でした。


こんなにのんびりでいいの?このペースが家造りには大切
イエロー系の壁が明るくモダンな外観。2棟が互いを引き立てあう。   昭和60年頃から教会堂献堂の話が持ち上がり、現在の用地を取得したのが平成16年。長い道のりではありましたが、公園、運動場、図書館、学校などのある文教地区に300坪という理想的な用地です。
 「大町は非常に寒さが厳しく、雪も深い。教会堂は絶対に暖かく堅牢なものでなくては」田中牧師は大町・松本・長野一帯の施工業者を調べ、たどり着いたのがホクシンハウスの無暖房住宅でした。じつは暖かい家という点では、他の会社と契約寸前まで交渉がすすんでいましたが、環境への配慮と住環境の快適さで無暖房住宅が圧倒的にすぐれていることがわかったのです。
 「教会堂を建てることは私たちの目的ではなく、手段です。最終目的は、大町の人々に『救い主の存在を知ってもらうこと』そのための建物ですから人に優しいのはもちろん環境に負荷をあたえるものでは困ります。」
 無暖房住宅はスウェーデンの建築家であるハンス・エイク氏によって日本に紹介されたもので、ホクシンハウスでは平成17年に実験棟をつくり翌年には実用化しています。国が推奨している次世代省エネルギー基準の3〜4倍という断熱性能があり、居住者の体温や電気製品などの生活熱で一定の室温を保ち夏も若干の冷房程度で快適という夢のような建物です。実験棟のデータ計測は、国内での無暖房住宅研究の第一人者である信州大学工学部・山下恭弘教授に依頼しました。次世代省エネルギー基準の住宅に比べ、無暖房住宅は年間の二酸化炭素排出量は5分の1以下、FBソーラーを併用すれば7分の1以下という結果がでています。
 尚、無暖房住宅は厚さ40センチの断熱材を使用しますが、これは古新聞を原料にセルロースファイバーを活用したもの。グラスウールや発泡樹脂に比べ、断熱材製造時からリサイクルによりエネルギー消費が少なく、二酸化炭素排出量は30分の1〜50分の1と圧倒的に少なくなっています。使用を終えて廃材となった時にも、有害物質を排出する危険がないとされています。暖かさや快適性はもちろん、こうした環境重視の視点が田中牧師の心を強くとらえました。

4度目の家造りは「老いては子に従い」大正解
 大町めぐみキリスト教会の皆さんは、教会堂建立にあたって神の業が働いたと話してくださいました。そのひとつは資金。実は土地購入の段階で資金は底をついていました。しかも田中牧師81歳、中心となる会員も高齢化しているので、融資を受けるのは難しかったのです。ところが不思議なことに多額な献金やほぼ無利子の融資の申し出が相次ぎ、滞りなく着工。融資については短期間で返済する目途もついているそうです。
 ホクシンの相澤社長も「田中牧師はみかけの装飾にお金をかけるのではなく、構造や断熱性など建物本体の基本性能に注目して無暖房住宅を選んでくださった」と語り、田中牧師に共感して協力をしています。
 また、相澤社長はスウェーデンに無暖房住宅の視察に行きましたが、田中牧師から建設の意思決定の連絡をもらったのがその2日前。奇しくも、キリスト教の本場で教会建築を見学してくる巡り合わせとなりました。

ホクシン暖かさは十分理解しているものの…
お子様の机がある手塚正雄さん宅のリビング。
 今年5月に献堂式を終え、今、教会の皆さんは礼拝や祈り会の度にその快適さを満喫しています。外気が26度の時に室内は21度と爽やかさを体験。これから真夏の暑さや真冬の寒さを経験しますが、それが楽しみでならない様子です。
 大勢の人々が集い、話したり歌ったりする教会は、空気環境が気になります。その点、この教会堂は24時間の換気システムが働き、熱交換によってエネルギーの損失なく、常に新鮮な空気を取り入れています。酸欠などの心配は全くなく、においや湿気がこもらないのもホクシンならではです。
 人の集う場所としては防音性も大きな利点です。外の騒音は、室内にはほとんど伝わりません。室内の音もほとんど外には漏れず「どんなにアンプのボリュームを上げ元気よく賛美歌を歌っても、外への迷惑がないのはありがたい」と田中牧師は話します。外国のプロテスタントの教会から客人が訪れて滞在する機会も多いのですが、この教会堂なら安心です。
 また、会員の皆さんが長年の思いを託した教会堂ですから、末永く愛用に耐えるものでなくてはなりません。無暖房住宅は堅牢さと耐久性の点でもすぐれています。高規格の部材を使用する上、壁の中を常に新鮮な空気が巡回する外断熱のFB工法では、壁の中や構造体に湿気がこもらず建物の劣化が最小限に抑えられます。
 教会堂の完成後、一般の方向けに見学会を行いましたが、率先して準備をすすめてくださったのが田中牧師です。
 「今度は寒さの厳しい時期に見学会をやろう。無暖房住宅の暖かさ、快適さ、エコロジーを広く大町の人々に知っていただきたい」と、田中牧師は更に意欲的です。そして町の人たちにもセミナーや催し物等、気軽に利用していただき広く開放できれば、と考えていらっしゃるそうです。