ポンちゃん通信 Vol.26春号

2006年4月20日 発行
家づくり現場リポート[手塚邸]の巻
太陽熱と太陽光発電でエコロジーな暮らし 太陽・風・雨の自然の力を活用する
 「日本は資源のない国とよく言われますが、じつは太陽・雨・風・地熱などに恵まれた自然エネルギー大国です」。そう断言する手塚さんは、太陽熱と太陽光を最大限に活用する家として気密断熱に優れたホクシンハウスを選び、太陽光発電を行うソーラーハウスを昨年5月に完成させました。 21歳で太陽電池と出会って以来、太陽光発電を中心とした自然エネルギー活用を研究し、今では共著ながら著書もあり講演にも忙しい手塚さん。退職後の今、夢に描いたソーラーハウスに住まい、さらに「自然エネルギーの家」の普及に努めたいと熱い思いが広がっています。

陽光降り注ぐ松本平に 太陽電池を搭載した家
image 「日本は本当に美しい自然に恵まれ、自然エネルギーの宝庫です。そして日照率を誇る松本平で暮らせることを幸せに感じています」。
 手塚翼さんは、アウトドア派のスポーツマンらしく日焼けした笑顔で、ソーラーハウスを案内してくださいました。太陽光を冬も効率よく受けるために屋根の傾斜は45度の急勾配。そのおかげで山小屋風の外観も実現しています。屋根にはお湯とりと全館暖房の熱源として不凍液を循環させ、集熱するFBソーラーパネルと、発電のための太陽電池が並びます。お湯とりは、晴れた日には70度くらいの湯が使いきれないくらい沸きます。5月から11月の半年間の発電量は月3.2kwで、一般家庭の消費電力としては、はぼ十分。余った電気は電力会社に売り、足りないときは電力会社から購入します。冬場の悪天候でも、常備灯など基本的な電力は自前で賄えています。
 また「太陽光は光としての直接利用も肝心」という手塚さんは、トップライトは壁の窓に比べ3倍の明るさがあるとおっしゃいます。冬は太陽光を取り込み、夏は暖気の放出に大きな効果が期待できるということです。屋根のてっぺんには、カナダ製のベンチレーター(換気ファン)が風力で回ります。24時間換気システムの補助として節電効果があり、夏の暖気の放出にも役立っています。 庭には1トン近い貯水槽を埋め込んで雨水を蓄え、洗車や庭の水撒きに活用。電力を使うポンプアップではなく、手押しポンプを設置して水を汲み上げています。この手押しポンプがレンガの台とマッチして、エクステリアのポイントともなっています。

まずは高気密・高断熱の 暖かい家が前提
 新築する前の旧宅は築30年を越える鉄骨プレハブ住宅でした。手塚さんはこの家で、太陽熱温水器、薪レンジ、小規模の太陽光発電、ドラム缶での雨水利用をすでに試みていました。そしてこの「寒い家」でよくわかったことは、自然エネルギーを効率よく使うためには、高断熱・高気密の暖かい家がどうしても必要ということでした。
 きっちりした断熱材で外断熱を施し、地下からの温風を壁内に循環させて家全体を暖める、地下室でもあるコンクリート基礎部分は蓄熱材の役割も果たす・・・複数のソーラー方式を検討して、手塚さんは特に断熱気密に優れたホクシンハウスのFBソーラー環境共生住宅を選びました。
 屋根の上のソーラーパネルに不凍液を循環させ、太陽熱でお湯取りや暖房の補助ができ、天気の良い日は、その効果がてきめんということです。さらに手塚さんの床下は、普通に立つ事ができる地下室に加えて浅いところでも90cmはあるので、上水道・下水道をここに配管することで凍結防止帯は不要。寒冷地に特有の凍結防止帯による電力消費の跳ね上がりがないという余得もありました。夏は屋根からの放熱、地下室の涼しさを利用してエアコンのない暮らしも可能です。室内に暖房機を設置しないので室内が広く使えること、宅内がどこもほぼ均質な暖かさに保たれていることも魅力でした。


自然エネルギーの活用を 模索してきた日々
  手塚さんが太陽電池と初めて出会ったのは、昭和36年、21歳のときのこと。日本の灯台に初めて太陽電池が利用されたという新聞報道を見て、さっそくカタログを取り寄せています。 じつはその前月、伊那谷に記録的な大豪雨が起こり、ダムから肝心の雨量データを送るときに、無線の電池が切れてしまったという惨めな経験が手塚さんにはありました。当時、建設省の通信技術者として、上伊那郡長谷村の美和ダムで無線機の保守点検を担当。真空管方式で消費電力が多い無線機に対して、電池の容量が小さすぎました。太陽光発電なら電池の交換の必要もなく、太陽の光の届くところならどこでも使える・・・手塚さんの太陽電池への思いはふくらみ、のちに工業系の高校で教鞭を取るようになってからは、生徒に太陽光エネルギーの可能性を伝えてきました。 ホクシンハウスの展示場に生徒を引率してソーラー方式の家を見学に行くことも度々あり、その優れた仕組みを熟知してもいました。

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既製品を使って低コストに カタログだけでなく実物を検証
 手塚さんの新居での暮らしも約1年になろうとしています。奥様の朝子さんも「こんなに快適だとは思わなかった」と満足感いっぱい。4人のお孫さんはこの家の居心地のよさに、「親の家と祖父母の家を半々に住んでいる」という状態だとか。
 手塚さんはお若いときから、スキー、パラグライダー、ダイビング、登山を楽しみ、「遊び人のポンコツじじい」を自称する現在は、塩尻市体育協会スキー部の会長として、約120人の会員にそのお人柄を慕われています。奥様や仲間とともに1シーズン40日は白馬方面のゲレンデを滑走するというご活躍ぶりです。(今シーズンは相澤社長とも二度ほど一緒にスキーを楽しまれたそうです。)また、ときどきお友達を招いてハープのコンサートを開かれている手塚さんですが、今回は、ホクシンハウスのスタッフも一緒に楽しませて頂きました。
 うれしいのは会員のなかに、ホクシンハウスを選ぶ人が次々と出ていること。手塚さんの自然エネルギー活用論に共感し、手塚邸で心地よい暖かさを実感しているからです。 「太陽光など自然エネルギーを上手に利用して家づくりをすれば、寒さを我慢したり、無理して省エネしなくても、環境にやさしく快適な家ができます」と手塚さんは言い、「ただ今は、太陽光発電にしても初期コストが高い。回収するのに長時間かかり、それが普及を妨げています。ドイツのようにクリーンエネルギーを高く買い取る制度ができるなど、なにか支援策がほしい」。
そのためにもソーラーハウスの仲間を増やし、国内有数の日照地帯の松本平から、太陽光発電を普及させたいと、手塚さんの夢は膨らみます。 石油や鉱物資源に恵まれない上、少子高齢化が進む日本。そんなイメージを吹き飛ばすように、「日本は自然エネルギー大国。
石油のように国際的な利権がからむこともなく、CO2問題もないクリーンなエネルギーをもっと活かそう」。手塚さんは講演でも、力強く訴えています。

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担当者から
 松本展示場開設当時から、手塚様は生徒・学生さんを引率してFBS工法を見学に来てくださっています。何より仕組みをよくわかって、選んでくださったのが光栄です。太陽光を効率よく取り込む、手塚様ご希望の山小屋風の内外観を実現するという意味で45度の屋根勾配を提案させていただきましたが、大成功を収めたようです。私たちも自然エネルギーを活用する家づくりをさらに進めるため、昨年10月には長野東展示場の西に、FBソーラー無暖房住宅実験展示場を開設しました。