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| 2003年10月15日 発行 |
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| 大町市の商業地にモダンなフォルムが映えるのは、曽根原敏明さんのお宅。 主婦の作業動線を考え、さまざまな工夫が凝らされたお宅は、曽根原さんのご家族への思いやりがいっぱいに感じられます。施工途上、収納や照明の位置まで、詳細に数字をいれてファックスで検討・指示。 そのファックスの束を見ると、誰もがその熱意と、思いを伝える技法の確かさに頭が下がる思いです。 研究熱心なお施主様が多いなかでも、曽根原さんは一枚上手。まさに家づくりに施主が参加したと言えるお宅です。 |
「もう、主人がわがままでほんとにすみません」開口一番、そう言うのは曽根原美穂さん。隣りにはご主人の敏明さんが静かに微笑んでいます。お二人は、今年3月末、念願のマイホームを新築。 「主人がここまでこだわる人だとは、私も思いませんでした。もっとアバウトな性格だと思っていたのですが、家を建てるとなったら、これが凝ること凝ること。なににつけ、ああでもない、こうでもないと…。ドア1枚も自分で探し抜いて気に入るものを見つけ、棚のなかの仕切り方や照明の位置まで図を書いて数字を入れて指示。うるさいお客だと思われたでしょうね。 それなのに気持ちよく、わがままを聞いてもらえたんです。よく3軒家を建てないと思い通りにはならないと言いますが、おかげさまでわがやは1軒めで満足。思い通りに造ってもらってうれしいです」 「でも、不思議。あれだけ凝りまくったのに、ホクシンさんから急がされたということがないんですよ」と言う美穂さんに、 「そりゃ、僕が先を読んでやっていたから」と敏明さんが笑わせながら、「自分も家づくりに参加した、やれるだけやったという思いです」と自宅への満足感と愛着を語っています。 |
公務員である曽根原さんは転勤で長野に在住。その間3年間ほど、いずれ敏明さんの実家のある大町に新築をと思いながら、あちこちの施工会社の完成見学会を見ています。モデルハウスより、完成見学会のほうが土地の形状やコストなど身近なものが多く、生活の臭いが感じられてより参考になりました。雪深く、寒さの厳しい大町では冬の温かさが絶対条件です。住宅雑誌などで勉強するうちに、外断熱の優秀さに気付き、外断熱の施工会社3社を比較検討。 1.地下室があり、暖房のメンテナンスが楽でコストがかからない。 2.壁の中に空気が通るので換気に優れ、カビ・湿気の心配がない。 そうした理由から、ホクシンハウスを選びました。 美穂さんは、「最初から直感的にホクシンがいいと思っていたのです。でも、欲しい物は最初から決っていても、他のものと比べてもっと納得してから買いたいというときがあるじゃないですか。それと同じ気持でした」 |
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曽根原さんの家への思い入れは、間取り段階から発揮されます。一級建築士であるホクシンの渡辺専務を相手に、間取りだけで5ヵ月に及ぶやり取り。この間に、渡辺専務が書き起こした間取り図はなんと10枚。「敷地には限りがありますし、主婦の作業動線を短く、使い勝手のよい間取りを摸索しました。階段の位置が難しかったですね」(曽根原さん) 渡辺専務は、「これだけ徹底的に検討した。悔いはない」というところまでお施主様に納得してもらおうと努力していると語ります。 「できあがった家に対して、人は気軽に感想を言います。それで、お施主様の気持ちがぐらぐらするようではだめで、指摘されるようなケースも検討した上でこちらを選んだという自信が必要。ここまでやっておけば、お施主様も自分の家に自信がありますから、何を言われても満足感がゆらがないのです」(渡辺専務) さらに施工途中、収納の棚の配分、絵や写真を飾るためのピクチャーレールの設置、地下室に採光するために設けた一階たたきの明かり取りの工夫など、細かい指示や相談がファックスでなされます。その数、渡辺専務の手許にあるものだけで21回。いずれも寸法の数字が入り、わかりやすい図が添えられています。「これだけ、自分の考えをはっきり持ち、しかもそれを相手に明確に伝えられる方は少ないです。敬服しました。また、ご提案に対してこちらから意見を申すと、それをわかってくださる。お互いに『話が通じる』という感覚で仕事が進みました」(渡辺専務) |
曽根原さんのお宅の外観はガリバニウム鋼鈑の壁に木の質感たっぷりのベランダ。デザイナーズハウスのようにモダンです。このガリバニウム鋼鈑の使用は曽根原さんの当初からのご希望です。室内に入ると、インパクトの強い外観とは裏腹に、和風テイストですっきりシンプル。格子模様、障子、壁は自然素材の左官工事。床は無垢の杉板で、柔らかく温もりのある足触りが魅力です。温かい高気密高断熱住宅ならではの木の床の楽しみ方と言えそうです。「無垢板は贅沢ですが、杉なら手が届きます。それなりに傷はつきますから、多少、気は使いますけれど」(曽根原さん) そうは言っても、年に一度、木の呼吸を妨げない自然素材の保護オイルを塗るくらいですし、節目の多い板なので傷がついてもほとんど気になりません。 玄関の収納、パソコンコーナーを兼ねたLDの収納などは、栗の木の無垢材を使い、大町在住の家具職人に特注。キッチンカウンターの天板やテーブルはクルミ。いずれも木目の美しさに曽根原さんが惚れ込んだものです。 |
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曽根原さんのお宅は建替えです。以前の家の階段の踏み板(欅)をニッチの飾り棚の板に再生しています。美穂さんは「思い出を大切にしてもらいました。こんな面倒な作業をしてもらえて、大工さんに感謝です」LDの天井の吹き抜けには、歴史を感じさせる太い梁が通っています。梁といっても、古民家再生によくあるような煤で黒光りのするものではなく、白木のまま時を経て味の出たもの。モダンな曽根原邸によく似合います。梁の設置は美穂さんの希望ですが、イメージ通りの梁を探して、松本、小谷、木曽と転々。木曽の親戚から情報があって探し当てたのが現在の梁です。現物を引き取る際には、現場監督であるホクシンハウスの綿貫泰士さんのトラックに敏明さんが同乗し、ふたりで木曽へ。 「綿貫さんとの木曽往復は、いい旅になりました…」(曽根原さん) |
木の質感を生かした家というと手の届かない高価なものに思われがちですが、曽根原さんはコストダウンも徹底。たとえば、照明器具などは価格を調べて量販店から自分で購入。カーテンなども既製品を利用。キッチンや洗面所の作りつけ収納のなかも、既製品の籐かごをはめこんでいます。こだわりの部分は譲らず、メリハリのある費用配分で思い通りの家を実現した曽根原さん。初めて過ごす冬の快適さを今から楽しみにしています。 |