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| 2003年7月15日 発行 |
| 黒姫山麓の豊かな自然の中、ゆったりとたたずむ狩野 土(かのう
はかる)さんの家。 狩野さんは、自然の恵みを活かした薬草茶の製造メーカー社長を努めていらっしゃいます。 企業家として、ホクシンハウスのポリシーに合い通じるものを見る狩野さんに、事業への意欲、家への期待、家族への思いを語っていただきました。 |
狩野さんの会社は黒姫に製造部門、長野市内に本社機能という分社方式で20年以上が過ぎ、それを平成12年に黒姫に統合しました。自宅も14年7月に長野市内から黒姫に新築移転しました。そのきっかけは、現在の敷地内にある祖先の墓にお参りしたとき。ふと「このままではいけない、こちらで暮らそう」という強い思いが胸をよぎりました。 現在のお宅は、狩野さんが生まれ育った旧宅のすぐそばで、隣接する自社工場へも徒歩数分。ただし、涌き水があり、草が生い茂って沼に近いような状態の土地でした。宅地としては良い条件ではないものの、「ここが当社発祥の地。やはりこの場所を大切にして住みたい」と現在地に決定。 いま、狩野さんのお宅から工場にかけては、潅木をぬって小川が流れ、小石を敷いた小道が続き、草花や芝生も愉しみな散策路として整備されています。 |
背景には黒姫の森、味わいのある散策路を手前に、英国調の堂々とした姿を見せる狩野邸。その隣り後方には、雑草庵と扁額を掲げた昔の別荘風の風情ある建物。旧式の別荘建築を思わせるこの家が、狩野さんが生まれ育った家です。この新旧ふたつの建物が響きあい、緑の中に調和した姿は、風格があって絵のよう。狩野邸の当初の予定では、玄関は南側正面になっていました。「それでは、旧宅に背を向けることになる。背を向けずに寄り添う形がいい。玄関を東側に持ってきたらどうでしょうか」そう提案したのは、弊社の相澤社長です。 狩野さんは「あ、これだ」と直感。同時に、施主の精神的背景にまで配慮する家づくりに感心したといいます。祖先の墓所もある敷地は、狩野邸、雑草庵、狩野邸の庭から続く薬草の畑、散策路、工場まで一帯として「意味のあるもの」になりました。「祖先がこの土地に託した思いや志をきちっと受けとめたい。それには、ここで暮らしてみないとわからないことがある」という狩野さんの願いが形になったものです。 玄関を東側に持ってくることで、南側の居住空間がより広く使いやすくなりました。 |
狩野さんの会社は折からの自然志向、健康志向で業績を伸ばしています。「衣食住の頭に健康を付けさえすれば売れる時代。しかし私は儲かりさえすればいいのではなく、本当にお客様本意の品を造りたい」 そう言う狩野さんは、常に製品の質の向上を目指し、新しい機器を導入して植物エキスの効果を高めたり、クリームなどの領域の商品開発をするなど意欲的。 「新しい発想ができるのも、家のおかげである部分があります。家はただ住めればいいのではなく、明日への活力を養い、家族が楽しみ、子供を育むものです」 自然素材を活用し、速効性でなく穏やかに体質改善していく。暖房についても、熱源からの直接的な暖かさでなく、家全体を温めて穏やかな空気で体を包む。狩野さんは、「住んでみて、この家が和漢薬的発想であることがよくわかります」 奥様のさといさんは、8歳・5歳・5ヵ月の3人の男の子の子育て中。「この家は温度が一定なので、真冬でも夜中の授乳がとてもラク。新生児を抱えていても、家ひとつで子育てがこんなに快適になるのは驚きです。子供を抱くために肩が凝るのですが、それもずいぶん軽くなりました。室内の空気環境がよいので、上の2人がインフルエンザになっても末の子にはうつらなかったんですよ」とにこやかに語ります。 |
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じつは、狩野さんは他の施工会社で家づくりを進めていました。狩野さん自身はデザイン的な部分でのこだわりが大きく、一方さといさんがこだわったのは、住宅の機能。温かさや快適性です。「例えていえば、私は製品パッケージや広告宣伝に、家内は製品の質そのものに注目していたということです」 2人の希望を叶える施工会社はいくつかあり、検討を進めます。ところが外観はまだしも、温かさとなると本当に希望通りになるのか確約してはくれません。いまひとつ、確信がもてなくて契約寸前で取り止めた会社さえありました。 そんなとき、狩野さんの講演を聞いたことから知り合いになった某女性経営者と、さといさんがご主人の代理で出席した会合で偶然出会います。健康に感心が深い2人は意気投合、「家づくりで悩んでいるなら、うちを見てちょうだい」その場で彼女の家に出向き、それがホクシンハウスとの出会いでした。実はこの方は平成8年に菅平にホクシンハウスで御自宅を建てられ、自己啓発セミナーなどを主催されている杉本文江さんでした。「家内の意見を重視してよかったと思います。結局は、住まいも質重視がいい。もちろん、外観にも満足しています。ちょっとしたタイルにも、垂木のアール型の曲線にも配慮が感じられ、愛着が増します」 |
無農薬の自然素材だけで健康茶を造る狩野さんは、住まいも自然志向。塗り壁や無垢の木をふんだんに使用しています。塗り壁は吸湿性・吸音性に優れ、室内の湿度を調節し、高断熱高気密住宅では響きがちな音もソフトにしてくれます。桜材の床も年数を経るごとに色がすこしづつ変化してゆくのが楽しみ。3人の元気な男の子たちが、床や壁に傷やシミを作っても、それが味わいとなり思い出となって馴染んでいきます。「よく100年住宅というキャッチフレーズを聞きます。ホクシンハウスは特にそうは宣伝していませんが、この家に暮らしていると、本当に100年先がイメージできるのです。頑丈にていねいに作られているのが、暮らしていてよくわかります。 100年先、私達はもういないし、子供たちだっていなくなっているでしょう。この家には子孫たちが住んでいるかもしれないし、会社の一部に取り込まれ、一帯が公園のようになって、この家がカフェやレストランになっているかもしれない…。どんな形になっているかはわかりませんが、愛着を持ってこの家が受け継がれていく姿が想像できるのです」こんな狩野さんのお話を聞いていると、こちらまで心が豊かになるようです。祖先の思いを大切にし、未来への有用な遺産となるものを作っていく。とかく目先のことだけ、自分の生活の中だけでものを考えがちな昨今、目を開かれる思いでした。 |
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