新しいショッピングロードとして発展するサンロードに、
一昨年の3月半ば、新居を構えられた山崎邸。
家づくりには、さまざまな物語があります。
家族の『こだわり』は不可欠であり、そのこだわりを実現するために、
いろいろな困難もこえなければいけない時もあるでしょう。

 長男の純也さんは、以前から慢性腎炎を患っていた。長くつきあっていく病気なので、症状に合わせて生活していたけれど、長年の無理がたたったのか、余儀なく入院することに…。そして、数ヶ月の治療で何とか退院できた純也さんだったが、また一つ悪夢が襲った。
足の付け根に激痛が走る。
「痛いっ!」
入院時の薬の副作用で、足の付け根部分の大腿骨が使えなくなってしまっていたのだ。気付いたときは既に手遅れの状態で、『大腿骨骨頭壊死』と診断された。
「将来的に、歩くことができなくなるのかっ!」
「くっ、車イスの生活…。」
 それは、あまりにつらく暗い出来事だった。純也さんにとってはもちろん、両親にとっても。
息子の将来を心配したご両親は、その頃随分「家族」ということについて考えさせられたという。
「息子に対して私たちは何をしてあげればいいのか…。」
「純也は、幸せになれるの?」
「どうすればいいの、何をしてやれる?」
不安と苦悩の日々が続いた。山崎さんご家族は、沈んだ気持ちを抱えたまま、長い時間を過ごしたのだった。

 山崎さんが、定年を間近に控えたある時期である。
「そういえば、今の家は廊下も狭いし、段差も多い。純也が車イスで生活するには、かなり不都合が多いだろうな。」
「きっと定年前の今こそ、家族みんなが住みやすい家を造る最後のチャンスではないだろうか。」
ひとすじの光が差した。そして、それはごく自然に“家族みんなが住みやすい家を建てる”という使命へと導かれていったのだ。
予期される車イス生活に備えた『バリアフリー住宅』。純也さんの本来の病である腎炎に配慮した『健康住宅』。

 しかし、多くのモデルハウスや現地見学会に参加するものの、条件を満たす家はなかなか見つからない。途方に暮れていたころ、新聞でふと目にしたのが“ストーブ一台で暖かな家”。ホクシンハウスの広告のその言葉に魅かれ、とりあえずモデルハウスへ家族で向かう。
「この心地よい暖かさは何だっ!」 
半信半疑でモデルハウスを訪れた両親は、包みこまれるような暖かさに圧倒された。
「冬が厳しい信州に居ながら、こんなことが可能なのか…。これなら、家族みんなが快適に暮らせる家も夢ではないかもしれない。」
「純也も喜ぶだろう。」と、山崎さんが確信した矢先、予想もしないことが起こった。
 純也さんの反対である。
「今さら僕のために家を建てても仕方がないじゃないかっ!」
純也さんは、自分のために家を建てるという両親の愛情を重荷に感じはじめていたのだ。歩けなくなるという現実を受け止めることに懸命であったし、実際、家を建てたところで足は治らないという自暴自棄な思いに押し潰されそうだった。「僕の足はもう治らない。もう、どうにもならないのに…。」
「家を建てるなんて、やめてくれっ!」
純也さんは、大工経験があった為、モデルハウスの“不備な点”を批判し、自分のために家を作ろうとする両親を止めようとした。

 だが、山崎さんにとってホクシンハウスの健康に配慮された家は、まさに理想の家であり、営業の方の説明を受けるたびに、その思いはますます深まっていくのである。
「ホクシンハウスは、壁の内側に暖かい空気を循環させて家全体を暖めます。ですから、身体の芯からジワッと暖まり身体に優しいんですよ。ご高齢者や赤ちゃんにも、お薦めです。」
「なるほど…、身体にいいのか。じゃあ、バリアフリー住宅もできるんですか?」
「当社は、完全自由設計なので、ご希望の家を建てることができるんです。ですから、もちろん大丈夫です。お客様が満足されることが私共の満足になるのです。何でも相談して下さいね。」
営業担当の岡田さんの人柄の良さに魅かれたこともあり、ご主人はホクシンハウスで家を建てることを決意した。
「これなら、いけるかもしれない。」

 さて、『バリアフリー住宅』とは言ったものの、先の将来に備えてのことであり、ましてや当人ではない。実際にどのようにしたら良いのか、山崎さんは、全く見当もつかなかった。営業兼設計を担当した岡田さんに要望を伝え、今までの経験を活かしたバリアフリー住宅を設計してもらうことになった。しかしながら、純也さんの病状は予想以上に早い進行をたどり、病状の進み具合と家の施工が並行して行われていくような感じであった。そのため、当初予定されていた洗面台が、施工寸前に車イスでの使用を考えて下部がカットされたものに変更されるなど、試行錯誤の家づくりとなる。
 実際に家づくりがはじまると、現場代人の沖野さんによるアイデアが至るところで活かされた。その最も良い例が“トイレ”である。障害者専用のトイレも販売されているが、障害者用というだけで値段が格段に違ってしまうのだ。
「便座の位置を少し高くするといい。」
沖野さんの数々の研究成果から、プラスチックのスペンサーを取り付けて便座の位置を5cmほど高くした。使ってみると、深く屈まずに済むので、今までの苦労がウソのように解消されたという。

玄関から見える外の風景が広さをさらに引き立てます。
ホコリを吸い込み、常に快適な空調を保つ集中クリーナー。
車イスでも移動しやすいよう広く段差のない出入口。

 あゆるところに『こだわり』を加え、お客様の希望に沿った家づくりを心がけることは、大切なことである。建築中も毎晩電話で連絡をとり合い、さらに、より具体的な話はFAXを用いて連絡し合った。(FAX機はホクシンハウスより提供された)密な意志疎通を心がけているからこそ、本当に満足の行く家づくりができるのだ。
 今回、山崎さんご一家が、何よりも嬉しく思ったのは『暖かさ』だそうだ。純也さんいわく、
「とにかく寒いと足が痛むんですよ。それが、この家にいると、ほとんど痛みを感じませんからね。妻の和美も、結婚してこの家に住むようになるまでは喘息を患っていたのですが、今ではすっかり影をひそめて、穏やかに過ごしています。実際に住んでみるまで、こんなに快適に暮らすことができるなんて気付きませんでした。この家を建ててくれた両親に、今ではとても感謝しています。子供みたいに反発していた自分が恥ずかしいです。」
完成してからも、純也さんに合わせた位置に手すりを設けたり、より使いやすい家づくりを追求し続けている。
 現在、純也さんは在宅勤務が可能であるということで、デザイン会社をはじめた。
「湿度が安定していて、紙やインクに支障が生じないこと」、
「ほこりが立ちにくく、パソコンに負担がかからないこと」なども理由だ。ホクシンハウスならではのメリットは、充分、活かされている。車イスでの生活を見据えた上での新たなる道を歩きはじめたのだ。

『健康住宅』と『暖かさ』。そこに『バリアフリー』も備わった家に、山崎さん家族は大満足のようです。