そろそろリフォームしませんか
ぽんちゃん通信 Vol.15より
健康志向の今、左官仕事が見直されています
(有)ホクシンウォール
海藤 秋さんに聞く
京壁のリフォームはおよそ2日で完了
 左官業を営む海藤さんの仕事で最近、増えているのが築10~20年のお宅の京壁のリフォームです。そのころの住宅は和室に京壁を用いることが多く、湿気を吸いやすい京壁がカビで黒ずんだり、ボロボロとはがれてくるからです。とくに湿気のこもりやすい北側の部屋や、たんすなど家具が置かれている裏側などが傷みが激しくなります。
 「何とかしたいと思いながらも、住みながらの工事だから時間がかかったら嫌だとか、壁の工事だから埃がすごいのではないかと二の足を踏む方が多いようです。実際、リフォームをしてみると、こんなに簡単なら、もっと早くやればよかったとおっしゃる方が多いんですよ」
 海藤さんは、どんなお宅もたいてい2日間でリフォーム工事を行います。大きなお宅なら、職人の数を増やして対応。住んでいる方の負担を最低限にする配慮が行き届いています。たんすやソファ、テレビなど重い家具は当日、スタッフが動かします。小物を片付けておいていただけば、あとは施主さんの手間はいりません。畳や床もきちんと養生しますから、そのままでかまいません。
 気になる埃については、もとの壁をはがさずに塗る方法や、はがしても埃にならない技術があるので、ほとんど埃は立ちません。
 「カビはアレルギーの原因になりますし、何より、汚れた壁を見ながら暮らすのでは精神的にストレスでしょ? いずれやろうとグズグズするより、リフォームは早いほうがいい。部屋全体が見違えるようになります」
健康によいのは塗り壁
 塗り壁はビニールクロスなどに押されていたのですが、このところの健康志向で再び注目されています。
 京壁、しっくい、珪藻土などの塗り壁には、湿気をコントロールする調湿効果や、臭いを吸着する消臭効果があります。従来の京壁はその吸湿性のためにカビが生えやすかったのですが、現在の京壁は性能が各段に進歩しているので心配はありません。
 とくに最近、健康によい自然素材として脚光を浴びているのが珪藻土。800〜1000万年前のプランクトン等が湖底や海底に堆積したものが主原料です。粒子には無数の孔があいていて、これが調湿、消臭、吸音・遮音、防火などの優れた働きをします。新築時の使用にとどまらず、洋間のクロスを珪藻土の塗り壁にリフォームすることもできます。
人の手の温もりが伝わる
 塗り壁は職人の手技が生きる現場作業です。従来はコテ跡などないがごときの仕上げや、パターン化されたコテ模様をつけるのが主流でしたが、現在はランダムなコテ跡を残すのも好まれます。より手作り感が感じられるからでしょうか。
 また、しっくいや珪藻土の壁、玄関土間などに、家族全員の手形をつける方もあります。家族全員が一度に集まり、ワイワイガヤガヤと作業も楽しみ。子供さんの小さな手形はいずれ、かけがえのない宝物になるにちがいありません。海外旅行の記念に買い求めたタイルを壁にはめ込む方もあります。このような温かいメモリアルが残せるのも、既成品でない現場オーダーメイドの左官作業のよさです。
左官業35年、スタッフ12人
 海藤さんは35年前、左官業を営む叔父さんに弟子入りし、住み込みで修行。そして現在、海藤さんを含めて12人の職人を抱えています。家族経営が多いこの業界、長野では最大規模といえます。
「技術も材料も進歩し、お施主様の好みも変わります。どんなに修行を積んでも、やはり常に勉強です」と、海藤さんは語ります。
 信州各地で街並修景として、蔵のある街づくりが進んでいます。須坂市による「ふれあい館まゆぐら」の移転改修もそのひとつ。海藤さんはその腕を買われてここの左官工事を行っています。現在は、「ホクシンウォール」という社名が表す通り、ホクシンハウスの家づくりで手一杯の状態ではありますが、蔵の修復などの依頼も増えていきそうな気配です。
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