鬱蒼と繁った木立の向こうから沢の音が聞こえる。国道からさほど離れていないのに、車の音は流れ落ちる水の音と木々のざわめく音にかき消され、もう聞こえない。Y邸は三方を覆いかぶさるような高い木々に囲まれて建っていた。道からちょうど一階分下がったところに家が建ち、更にその先の崖の下は沢になっている。崖の下から生えているミズナラやアカシアの大木は屋根をとうに追い越し、涼しげな日陰を作っている。
 「40年ほど前に父が購入した土地なんですが、こんな土地に家なんて建つかなと思いつつ地盤を調べてもらったんです崖の途中を切り崩して土地を作った訳ではなく、もともとこの棚状の土地があって、地盤も充分な強度がありました。建ててみたらこの土地だからこその利点が結構あって、逆によかったなぁと思っています。」
 前後左右に今後建造物が建つ可能性もなく、どの窓からもあふれるばかりの緑の木々を望む。水と緑がもたらす自然の涼風が心地よい。
 この家が出来てこの夏でちょうど一年目。定年後、ご夫婦で移り住むことを前提に考えた家づくりは、シンプルな暮らしやすさと、趣味を楽しめる空間を追求した。住居スペースは全て玄関のある二階に。
一階は趣味の為のスペースと、大胆な間取りになっている。ご主人は自他共に認める熱烈な鉄道ファン。定年後はこれまで集めた膨大な量の鉄道に関するものや資料、写真などを展示する資料館にして一般の方にも見ていただきたい、と目を輝かせる。
 軽井沢の移住で一番気を遣ったのが、冬の暮らし。隣に祖父の別荘があり、子供の頃から軽井沢に来ていたご主人だが、古い別荘だったため冬はほとんど来た事がなかったそう。
 「だから冬も 快適に過ごせる家を、と住宅メーカーを選びました。いくつかの展示場を見学して、ここなら、と決めたのがホクシンハウスでした。私の描いた家のイメージ画をもとにその通りにつくってもらえたのも嬉しかったのですが、何しろ年中快適に過ごせる暖房・換気システムは素晴らしい。壁の中を空気を循環しているので、久しぶりに来ても湿気や嫌な臭いもありません。冬にきても寒さ知らずで過ごせます。床下の暖房機の設定温度を13度くらいにしておくのですが、家中が冷え切っていないので、すぐに暖かくなります。」
 共に教職のご夫妻だが、20007年春に奥様は一足早く定年退職。ご主人が定年退職する二年後に東京から移り住む予定だという。「今も月に二度はここへ来ます。環境的にも快適だし、やりたいこともいっぱいで、来るといつも帰りたくなくなっちゃって困るんですよね。今からこちらに移住するのを楽しみにしているんです。」
 休みの日は2人揃って近隣の山歩きをしたり、美味しい地元の野菜で料理に腕をふるったり。楽しみは尽きない。
室外機(左)で作った熱を床下の暖房機へ送り、これ一台で家中の床下を暖める。
省エネ賞受賞のFB工法
 今、注目の外断熱工法で全国で初めて一般住宅の10倍という最高ランクの気密住宅認定を受けた「FB工法」とは、熱にも湿気にも強いFBボードという断熱材を使って家全体をすっぽりと包むことで、床下から壁の中まで室内と温湿度にする工法。冬は、床下においた暖房機の空気を壁の中に循環させることによって、空気を汚すことなく家中が温まり、夏は床下のひんやりとした空気を循環させて涼しく保つ。省エネルギーかつクリーンな工法として注目を集めている。
ロハスな暮らしを目指す「FBソーラー無暖房住宅」

 新聞・TVでも大きな話題を呼んだ生活熱とソーラーで暮らせるという夢のような「FBソーラー無暖房住宅」の開発と普及にも力を入れており、実際の住宅もできているという。軽井沢に永住の方には是非お勧めしたい工法。

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