明るく開けた土地に、ゆるやかなL字型に角度のついた平屋の家。南東向きの広い庭にはまだ雪が残っているが、豊かに枝を広げた木々から、木漏れ日あふれる緑の季節の様子が容易に想像できる。
 古川夫妻がこの家に引っ越して来たのは昨年四月。軽井沢暮らしもまる一年になる。軽井沢で過ごした初めての冬はいかがでしたか、と聞くとお二人は声を揃えて、「軽井沢は冬が大変と聞いていたので覚悟していたんですが、思っていたより寒くない。家が暖かいから、外の寒さを忘れちゃうんです」と笑顔で答えた。
 軽井沢に移住するにあたって、家づくりの第一条件は「暖かい家」。何度か軽井沢や長野に出向き、何社もの展示場で話しを聞き、様々な暖かい家の工法やシステムを研究。その中からここなら、と決めたのがホクシンハウスだった。
 これまで、東京、栃木、茨城、オーストラリアと住居を移し、その間建てた家は工房なども入れれば7、8軒にもなるという古川夫妻。家づくりに関しての知識と経験はかなりのもので、実は今回のこの家もご主人身自らがほとんど設計したという。担当したホクシンハウス佐久支店長の岡田さんも「実際、完璧に近い設計図で、私どもは構造上の計算や建築上の工法を考えるだけでした。コンセプトや希望がはっきりしていたので、あとはうちの特徴である構造や暖房、換気のシステムをどのように活かすかが腕の見せ所でした。東京と長野で何度も電話やファックスでやりとりし、納得ゆくまで話し合いました。シンプルだけどいろいろ細部に工夫が施され、本当に暖かくていい家ができたと思います」と自信満々。
「多分これが最後の引っ越し。だからこそ、シンプルに暮らしやすい家を造りたかったんです。この家は夏も風通しがよく涼しかったし、冬も床下に設置した暖房機ひとつで家中の床全体が暖かく快適です」とご主人。
 軽井沢に来てから、自然に風景画を描くことが多くなったというご主人。奥様は繊細な季節の花々やかわいらしい動物等を水彩で描く。今年は二人の展覧会を開きたい、と息のあった夫婦仲を見せてくれた。
 軽井沢ではじまったシンプルな暮らしの中で、これからも次々と素敵なシーンが描かれていくことだろう。
大きな窓や天窓もあり、明るく開放感あふれる広いリビング。約26畳という広さだが、床全体が温まるので真冬でも暖かい。
使いやすさと住み心地にこだわった、すっきりとしたデザインの平屋。
 
屋根の軒の幅を広く取り、雨や雪が当たらないようにしたので、ウッドデッキも傷まない。「夏は毎日のようにテラスで食事しました。本当に気持ちよくて」と奥様。奥は別棟のアトリエ。
 
現在油絵の画家であるご主人。実は5年ほど前までは、数々の受賞歴をもつ知る人ぞ知る陶芸家だった。壁の絵はすべてご主人作。
天窓がついた明るいキッチン。「閉めきっていても空気が循環しているから料理のにおいも残りません」と奥様。テーブル、イス、タンスなど家具は全てオーストラリアから持ってきたもの。
 
「ストーブはなくても十分暖かいのですが、薪ストーブの炎が好きで、夜だけ火を入れます」とご主人。リビングの奥は天井まである特注の襖で仕切られる。お客様が泊まる時など便利。
室外機(左)で作った熱を床下の暖房機へ送り、これ一台で家中の床下を暖める。
 
大きな窓から裏の林が見える、開放感あるバスルーム。
省エネ住宅賞受賞のFB工法とは
 家全体をFBボード(熱にも湿気にも強い断熱材)ですっぽりと包み、床下から壁の中まで室内と同じ温湿度にする工法。冬は床下においた暖房機で家中を暖かくし、また夏は床下の涼しい空気が壁の中を循環するので、一年中快適な環境を保つことが出来る。
さらに暖かい、省エネの家を

 ホクシンハウスの目指す高気密・高断熱住宅は、地球と人により優しい快適住宅。そのために常に新しい技術の導入・開発に取り組んでいる。
 FB工法をベースにソーラーを組み合わせ、暖房には太陽熱で温めた空気を、給湯には太陽熱で温めた水を利用する「FBS工法」。家庭で一番熱エネルギーを使う給湯をよりローコストにし、さらにその温熱を暖房に利用する「FBソーラー」。また現在は建物の性能を高め、太陽熱や家電製品の生活熱、人の体温や照明器具の排熱を有効利用する、夢の「FBソーラー無暖房住宅」の開発に取り組んでいる。

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